防音の知識3 防音材料の使い方と対策について
防音材料の使い方留意点
効果的な防音対策には、質量の大きい遮音材に、制振・防振材及び吸音材を組み合わせて使用するのが基本ですが、低音域用・中音域用・高音域用 の材料を組み合わせることによって、総合的な防音性能を高めることが可能です。質量則による遮音材(モルタル、遮音シート等)使用だけによる防音対策 だけでは、壁厚や重量の限界があるだけでなく、振動音対策の不備や サウンドブリッジ(音漏れ、音の絶縁不良)の問題が生じるので注意しなければなりません。
質量則:音響透過損失
遮音特性を上げるため、コンクリート等遮音材の厚みを倍にすると 理論上は5デシベル程度遮音性能が向上します。壁面の厚みを倍にすることは躯体の設計上、コスト上も現実的ではなく限界があります。既存のコンクリート躯体より面密度の低い遮音材を壁面に 直に使用するとコインシデンス効果により遮音低下が起きることもあります。
固体伝播音と空気伝播音
生活騒音・楽器などの音は、空気中を介して伝わる声やテレビ・スピーカー 等から発する「空気伝播音」、足音・洗濯機・スピーカーなどの振動音や 床・壁への衝撃から発する「固体伝播音」に大別されます。
マンション・店舗等の室内壁 GL工法
壁・梁がGL工法で施工されている場合固体伝播音と空気伝播音の双方が非常に伝わりやすくなることが知られています。このため、これらの防音対策には音の特性に応じた防音材の選定や下地の 防振処理などが必要となります。
二重天井・二重床における騒音が目立つ場合
通常は、下地の構造及び施工状況によって防音性能が大きく左右されます。 同時に使用されている防音材の性能・特性に応じて防音性に差が生じます。 ちなみに、石膏ボードは振動音を伝播しやすく、共振しやすい材料ですの で単独で使用しても振動音など固体伝播音対策には不利ですので、これを 補う防音材料が必要になります。
防音対策には遮音材を沢山使えば有効なのか?
質量則に基づいて、天井や壁に重い材料を多量に使用すれば遮音効果が高いと言えますが、現実として空間が狭くなるだけでなく、下地が物理的に 支えることができる限界があります。また、重い遮音材でも固体音は伝播しやすいという特性をもつ材料をいくら重ねても効果的では有りません。 そこで、ある程度の重量を持ちながら比較的軽い複層構造を構築すること が重要になります。
防音対策のポイント「コンクリート・木・鉄の特性」
固体音を伝播しやすいという点では、コンクリートも鉄も同様です。一般的に剛性の高い素材は固体音を伝播しやすくなります。 したがって、軽量鉄骨下地が天井コンクリートスラブに直付けで固定されていれば上階からの振動音が下階の天井にかなり響くことになるわけです。木材は軽量鉄骨に比べて固体音が響くのをある程度吸収しますので、防音対策の下地としては加工もしやすく有利な素材です。 しかし、ゴムやプラスティック・アスファルト・ビニールなどに比べれば硬く剛性の高い素材ですので固体音を伝えます。このため、鉄やコンクリートに直接固定すると、鉄・コンクリートを介した固体音をまともに受けてしまいます。必ず防振素材を中間に挟んで使用 することが重要です。木材も有利な特長を活かすためには防振性の高い素材を併用することが防音対策のポイントとなります。

































